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暗号資産(仮想通貨)取引所のCoinbase(コインベース)は8日、2025年第1四半期の決算を発表した。
総収益は20億3000万ドルとなり、市場予想の22億ドルを下回った。
収益構成と主な業績
取引収益は12億6000万ドルで、前四半期比19%減少した。一方で、取引量は3930億ドルと市場予想を上回った。
サブスクリプションやサービス部門の収益は9%増加し、事業の多角化が進んでいる。調整後EBITDA(利子・税金・減価償却前利益:企業の収益性を把握する指標)は9億3000万ドルを記録し、純利益は6600万ドルに達した。
市場環境と事業拡大の影響
この四半期は、仮想通貨市場のボラティリティ(価格変動の激しさ)の低下が影響した。個人投資家の取引量は17%、機関投資家の取引量は9%減少した。
一方、デリバティブ取引量は8040億ドルに達し、前年同期を大きく上回った。
カストディ(資産管理)残高は250億ドル増加したほか、米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」残高も前四半期から49%増加した。 これらは機関投資家による利用拡大の表れである。
同社は2025年にデリバティブ取引所のデリビットを29億ドルで買収し、デリバティブ市場への進出を本格化させた。
収益性と今後の展望
コインベースは収益全体が市場予想に届かなかったものの、非取引系収益の堅調な伸びが業績を下支えした。
調整後1株利益(EPS:株式一株当たり利益)は1.94ドルで予想を上回った。 しかし、米国会計基準ベースのEPSは0.24ドルにとどまった。
今回の決算発表後、収益未達やサービス収益の見通し鈍化を受け、株価は3%超下落した。 仮想通貨取引が市況に左右されやすい一方、カストディやサブスクリプション収益の拡大が安定成長に寄与する見通しである。
仮想通貨取引所のサービスや新機能に注目が集まる中、デリバティブ分野や機関投資家向けサービスの強化が成長戦略の鍵となるだろう。 今後は仮想通貨投資の観点から、個人投資家と機関投資家双方の動向が注目される。
ポイント
- コインベースの2025年第1四半期収益は市場予想を下回った。
- 取引量やカストディ資産、サービス収益は増加傾向を示した。
- デリバティブ取引の拡大や非取引事業への注力が進んでいる。
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