世界最大の資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は31日、年次投資家向け書簡で米国の国債増加がドルの世界準備通貨としての地位を脅かし、暗号資産(仮想通貨)が優位に立つ可能性があると警告した。
フィンク氏によると、米国が債務問題と膨らみ続ける財政赤字に対処できなければ、投資家がドルよりもビットコイン(BTC)を安全な投資先と見なすようになる可能性がある。
米国債務増加がドルの地位を脅かす
現在、米国の国債は36兆ドル(約5364兆円)を超え、すでに国内総生産(GDP)を大幅に上回っている。この状況がドルの世界準備通貨としての地位を危険にさらしていると、フィンク氏は警鐘を鳴らした。
「米国が債務をコントロールできなければ、我々の経済的優位性は急速に失われる可能性がある」とフィンク氏は書簡で言及。特に関税や資産価値の変動など、米国経済に対する懸念が高まっている現状では、この警告は重みを増している。
分散型金融の革新性とリスク
フィンク氏は分散型金融(DeFi)を「非常に革新的」と評価し、市場をより速く、安価に、透明にすると評した。しかし同時に、この革新性こそが、投資家がおすすめ仮想通貨を従来の通貨より優先するようになった場合、ドルの地位を弱体化させる原因になり得ると指摘。
興味深いことに、ブラックロック自身は2024年に大規模なビットコイン上場投資信託(ETF)を成功裏に立ち上げており、同社が新しい仮想通貨分野で重要な役割を果たしていることを示している。
トークン化が金融に革命をもたらす可能性
フィンク氏は書簡の中で、株式や債券などの資産のトークン化が投資へのアクセスを民主化する可能性についても言及。彼によれば、トークン化により市場が24時間365日稼働し、決済時間が数日から数秒に短縮されるなど、金融に革命をもたらす可能性がある。
「トークン化された資産市場の拡大には、本人確認などの課題解決が不可欠だが、その可能性は計り知れない」とフィンク氏は述べた。経済的不確実性が高まる中、フィンク氏は資本市場の回復力に期待を示した。歴史的に見ても、市場は様々な課題を乗り越えて適応し続けてきたと強調。
ブラックロックCEOからの警告は、世界経済と仮想通貨の未来について重要な視点を提供するものだ。国家の債務問題が仮想通貨の普及に与える影響について、投資家や政策立案者は今後も注視する必要がある。
ポイント
- ブラックロックCEOが米国債務増加によるドル危機を警告
- 分散型金融(DeFi)の革新性とドルの地位低下リスクを指摘
- 資産のトークン化が金融市場に革命をもたらす可能性を評価
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