英国の大手銀行スタンダードチャータードはこのほど、ビットコイン(BTC)をテスラの代わりに組み入れた仮想の指数「Mag 7B」が、従来のテクノロジー株指数「マグニフィセント・セブン」より優れた投資パフォーマンスを示したとことが明らかになった。
スタンダードチャータードのデジタル資産調査部門を率いるジェフリー・ケンドリック氏によるこの分析では、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾン、アルファベット、メタ、テスラで構成される従来の「マグニフィセント・セブン」からテスラを除外し、その代わりにビットコイン(BTC)を組み入れた「Mag 7B」指数の投資パフォーマンスを検証した。
分析によると、「Mag 7B」指数は過去7年間において、年平均で約1%高いリターンと約2%低いボラティリティを実現。情報比率(投資信託の運用成果を評価する指標)も1.13と、従来の1.04を上回る結果となった。
ビットコインはテクノロジー株としての性質が強い
ケンドリック氏は「ビットコインは短期的には『デジタルゴールド』というイメージとは異なり、ゴールドよりもナスダック指数との相関性が高い」と指摘している。この分析では、ビットコインを従来の金融システムに対するヘッジ手段としてだけでなく、テクノロジー投資としても位置づけることができると結論づけている。
「投資家はビットコインを従来型金融へのヘッジとしても、テクノロジー投資の一環としても捉えることができる。グローバル投資ポートフォリオにおけるビットコインの役割が確立されるにつれ、複数の用途を持つことで新たな資金流入をもたらすだろう」とケンドリック氏は述べている。
現在のビットコインの時価総額は約1.7兆ドル(約255兆円)に達し、テスラの約8,000億ドル(約120兆円)を大きく上回っている。また、分析によれば2024年初頭に導入されたビットコイン現物ETFにより、他のテクノロジー株と同様にビットコインの取引がシームレスかつ費用対効果の高いものになったことも重要なポイントとなっている。
機関投資家の関心高まるビットコインの見通し
ケンドリック氏は、近い将来の相場見通しについても楽観的な見解を示している。4月2日に予定される米国の関税発表を控え、市場は先週の弱気心理から一転して前向きな期待を抱いているという。
「ナスダックは2022年半ば以来最悪の四半期を記録したため、ポートフォリオのリバランスが買いを後押しする可能性がある。ナスダックが上がればビットコインも上がるだろう。現在の注目点は9万ドルだ」と同氏は述べている。
また、トランプ大統領就任以降、ビットコインのボラティリティ調整後の値動きがエヌビディアに近づいている一方で、テスラはイーサリアム(ETH)に似た動きを示しているという興味深い観察結果も報告された。
この分析結果は、機関投資家がビットコインをポートフォリオに組み入れる新たな魅力的な理由を提供しており、暗号資産(仮想通貨)市場の成熟と伝統的金融市場との融合が進んでいることを示唆している。
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