ビットコイン、トランプ政権下で50万ドルへ｜SC銀行予測

スタンダードチャータード（SC）銀行のアナリストチームは27日、ビットコイン（BTC）価格が2028年までに50万ドル（約7500万円）に達するとの予測を発表した。

この予測はドナルド・トランプ大統領の任期中に暗号資産（仮想通貨）市場が急成長するとの見通しに基づくものである。

ビットコイン価格上昇の主な要因

同銀行のジェフ・ケンドリック氏らのアナリストチームは、ビットコインの価格上昇に複数の要因があると分析した。 まず米国のビットコイン現物上場投資信託（EFT）の普及拡大が挙げられる。

ETFの登場により機関投資家の市場参入が容易になり、投資環境の整備が進んだ。 さらに、トランプ次期政権下において仮想通貨セクターの規制緩和策も追い風になると分析された。

特に注目されるのはSAB 121（会計基準：企業会計の指針）の撤回などの措置で、これにより投資家の信頼感が向上すると見られる。

マクロ経済的要因も重要な役割を果たす。インフレ率が1.5％台まで低下し、金融政策が安定することでビットコインを含むリスク資産への需要が増加すると予想される。

また、AIエージェント技術の普及が仮想通貨市場の成長を後押しする要素とされている。

段階的な価格上昇を予測

スタンダードチャータード銀行は、ビットコインの価格上昇が段階的に進むと分析。同行の予測によれば、2025年末時点で20万ドル（約3000万円）、2026年には30万ドル（約4500万円）に達する見込みである。

現在のビットコイン価格は9万8000ドル（約1470万円）前後で推移している。 また、現在のビットコインと金との価格比率が歴史的に低い水準にあることが指摘される。

米中関係の緊張を背景に、地政学的リスクへの緩衝材としてビットコイン需要が今後増加する可能性が示唆されている。

機関投資家参入が鍵を握る

予測実現の鍵は機関投資家の参入拡大にある。 ETFの普及によりビットコイン市場へのアクセスが改善され、機関投資家のポートフォリオにおけるビットコイン比率が拡大すると見られる。

また、連邦準備制度理事会（FRB）の金利政策が市場の安定に寄与し、機関投資家の資金流入を加速させると分析された。

さらに、市場のボラティリティ低下により、機関投資家がハードウェアウォレットを活用してビットコインを資産配分に組み込む可能性が高まるとされる。

ただし、当該予測は複数の前提条件に依存する。 規制環境の変化や技術的進展、市場参加者の動向により、大きく変動する可能性があることを留意する必要がある。