ウィスコンシン州投資委員会(SWIB)は2025年第1四半期に、ブラックロックのビットコイン上場投資信託(ETF)「iシェアーズ・ビットコイントラスト(IBIT)」の全株式606万351株を売却した。売却額は3億2150万ドルにのぼる。

SWIBは米国の公的年金基金のひとつで、総運用資産は約1660億ドルに達する。同委員会は2024年第1四半期からIBITへの投資を開始し、保有比率を急速に拡大してきた。

投資拡大から売却へ、背景に資産再配分

SWIBは2024年初頭、ビットコイン(BTC)ETFへの新規投資を実施し、IBITは2.4百万株、グレースケールビットコイントラスト(GBTC)は100万株の保有に至った。GBTCは2024年末までに全て売却され、IBITの持ち株は約606万株に拡大するとともに、同基金のポートフォリオ全体の約0.2%を占める結果となった。

しかし2025年第1四半期、SWIBは資産配分の見直しを理由にIBITの全株式を売却した。公的年金など長期運用を担う機関投資家にとって、戦略的なポートフォリオ調整はごく一般的な動きである。

他機関はIBITを拡大、機関投資家の戦略に違い

一方、アブダビの政府系ファンド「ムバダラ」は同期間中にIBITの保有を拡大し、870万株を買い増した。同氏らの戦略は、SWIBが売却に踏み切った姿勢と対照的である。

SWIBは一時、米国公的年金として暗号資産(仮想通貨)ETF投資の先駆けとなったが、今回の売却により今後の仮想通貨投資方針は不透明となった。各機関では依然として仮想通貨資産への配分やリスク管理に多様なアプローチが見られる。

米国をはじめとする公的年金や政府系ファンドによる仮想通貨ETFの売買は、市場の中長期的な資金フローや価格動向に影響を及ぼす重要な指標とされ、今後も各機関の動向が注目される。

ポイント

  • ウィスコンシン州投資委員会がビットコインETF「IBIT」全株式を2025年第1四半期に売却した
  • 売却額は約3億2150万ドルで、年金基金の資産再配分戦略の一環とみられる
  • ムバダラがIBITの保有株を増やすなど、機関投資家の仮想通貨ETFへの姿勢が分かれている

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Airi Kumabayashi
Airi Kumabayashi
仮想通貨ライター

2020年から仮想通貨投資を始め、豊富な投資経験とWeb3.0分野の専門知識を活... 続きを読む

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