暗号資産（仮想通貨）取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは27日、毎週ビットコイン（BTC）を定期購入していることを明かした。
同氏がこの方針を公表した当日、コインベースの株価は過去最高となる375.07ドル（約5万4400円）を記録した。
企業の財務戦略としてのビットコイン
アームストロングCEOは、企業が財務資産にビットコインを組み入れる可能性を示唆した。これは経済的不確実性へのヘッジとして、多くの機関投資家が採用している動きと一致する。
実際にテスラやマイクロストラテジーなどの企業は、すでに大規模なビットコイン準備金を保有している。コインベース自身も企業のビットコイン保有量ランキングで10位に位置し、その保有額は約9億9500万ドル（約1443億円）に上る。
同社の株価高騰は、規制の明確化や中央集権型取引所が広く受け入れられている現状を反映している。2025年5月に同社株がS&P 500種株価指数の構成銘柄に採用されたことも、機関投資家の信頼をさらに高める要因となった。
ビットコイン重視への回帰と今後の展望
コインベースは設立当初、ビットコインのみをサポートする姿勢を示していたが、2016年にはアルトコイン、2018年にはERC-20トークンの取り扱いを拡大してきた。
しかし、今回のアームストロングCEOの発表は、ビットコインの長期的価値を再評価する戦略転換を示すものだ。この動きは、アルトコイン上場を優先する一部のビットコイン支持者からの批判に対する応えともいえる。
アームストロング氏は以前より、ビットコインが将来的に数百万ドルの価値に達する可能性や、各国が準備資産として採用すべきとの見解を示してきた。
毎週定期購入というアプローチは、断続的な買い増しとは異なり、仮想通貨普及への同社の持続的コミットメントを明らかにしている。
この動きは、コインベースが機関投資家の需要に応えつつ、短期的な市場圧力とのバランスを取り、次の強気相場に向けた備えを進めていることを示している。
ポイント
- コインベースCEOが毎週ビットコインを定期購入していることを公表した。
- 同社の株価は史上最高値を更新し、市場の楽観的な見方を反映している。
- この戦略は、ビットコインの長期的価値を重視する姿勢への回帰を示唆する。
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