大手投資銀行Cantor Fitzgerald(キャンターフィッツジェラルド)は27日、20億ドル(約2880億円)規模のビットコイン(BTC)融資事業で初回取引を実行した。
同社は機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)融資サービスを正式に開始し、暗号資産業界に新たな資金調達手段を提供する。
20億ドル規模で機関投資家向けサービス本格稼働
キャンターフィッツジェラルドのビットコイン融資事業は、ビットコインを保有する機関投資家に対してレバレッジを提供し、デジタル資産業界に規模、構造、洗練性をもたらすことを目的としている。
同社は初期段階で最大20億ドルの融資を提供予定としている。
同社のブランドン・ラトニック会長は「キャンターは早期にデジタル資産金融サービスが世界経済に与える変革的な影響を認識していた」と述べ、「この成果は、深い専門知識がウォール街で明確な優位性を生み出し、暗号資産およびデジタル資産クライアント向けの主要投資銀行としての地位をさらに固めることを示している」と説明した。
同社の共同最高経営責任者兼債券部門グローバル責任者のクリスチャン・ウォール氏は「キャンターと伝統的金融業界にとってマイルストーンとなり、革新的な機関投資家の専門知識がいかに資本を解放し、機関投資家向けビットコイン投資家に洗練された融資ソリューションを提供できるかを実証している」とコメントした。
セキュリティ重視のカストディ体制
キャンターのビットコイン融資事業は、厳格なセキュリティ、透明性、信頼性基準を満たすよう構築されており、同社はデジタル資産カストディアンであるAnchorage DigitalとCopper.coとパートナーシップを組み、実績のあるセキュリティアーキテクチャでクライアント資産を保護している。
Anchorage Digitalは米国で唯一の連邦政府認可を受けた新しい仮想通貨銀行を運営し、カストディ、ステーキング、取引、ガバナンス、決済サービスを提供している。
一方、Copper.coは機関投資家向けに安全なカストディ、プライムサービス、担保管理を提供するデジタル資産インフラ企業となっている。
従来の融資市場との差別化
従来の暗号資産融資市場では、Terra、BlockFi、Celsius、Genesis Global Capitalなどの破綻により、カウンターパーティリスクや不適切なリスク管理が露呈した経緯がある。
こうした背景の中、キャンターの機関投資家向けアプローチと厳格な規制基準への準拠は、より安定したサービス提供を目指している。
キャンターフィッツジェラルドは米国債市場における24の主要ディーラーの1つとしての地位を持ち、ステーブルコイン発行企業テザーの米国債担保管理も手がけている。
同社の前会長で現米国商務長官のハワード・ラトニック氏は、ビットコインと伝統的金融の統合を積極的に推進してきた人物としても知られている。
ポイント
- キャンターフィッツジェラルドが最大20億ドル規模のビットコイン融資事業を正式開始
- FalconXとMaple Financeとの初回取引を完了し、機関投資家向けサービスを本格展開
- 米国債市場の主要ディーラーとしての信頼性を活かし、暗号資産融資市場に参入
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