暗号資産(仮想通貨)セキュリティの専門家のジェイムソン・ロップ氏は16日、量子コンピュータの進化に対応するビットコイン(BTC)のセキュリティ対策として、脆弱性のあるコインは「回収より焼却が望ましい」との見解を示した記事を発表した。
量子コンピュータの発展により、ビットコインの基盤となる公開鍵暗号方式やハッシュ関数に対する脅威が現実味を帯びてきており、業界は対応を迫られている。
In my latest essay I weigh in on the controversial issue of how to deal with quantum vulnerable bitcoin in a post-quantum future.
After great consideration, I think it's best if we burn quantum vulnerable coins.https://t.co/E76Irzv5QA
— Jameson Lopp (@lopp) March 16, 2025
量子コンピュータがもたらす仮想通貨への脅威
現在のビットコインのセキュリティは主に公開鍵暗号方式に依存しているが、量子コンピュータはショアのアルゴリズムやグローバーのアルゴリズムなどを使用して、従来の暗号化手法を破る可能性がある。この技術的脅威に対し、仮想通貨コミュニティは早急な対策が必要だという認識で一致している。
専門家によれば、量子コンピュータが十分な計算能力を獲得した場合、ビットコインの秘密鍵が解析され、資産が危険にさらされる可能性がある。このリスクに対応するため、量子耐性のある暗号技術(ポスト量子暗号)への移行が不可欠とされている。
「焼却」戦略の意義と技術的課題
専門家が提唱する「焼却(バーン)」という概念は、脆弱性が確認された古い暗号方式で保護されているコインを、単に新しい所有者に移すのではなく、システムから完全に除外する戦略を指す。これにより、量子攻撃のターゲットとなり得る資産のリスクを根本的に排除できるという考え方だ。
しかし、ビットコインのブロックチェーンを量子耐性のあるものに更新するには、大幅なダウンタイムや運用調整が必要となり、技術的にも物流的にも困難な課題が山積している。特にコンセンサスの獲得やウォレットの更新など、コミュニティ全体の協力が不可欠となる。
業界の対応と今後の展望
現在、研究者たちは量子耐性のある暗号手法の開発と統合に焦点を当てており、潜在的なハードフォークや段階的な技術更新を通じて対応策を模索している。このプロセスには、ビットコインコミュニティのステークホルダー間で相当なリソース、時間、そして調整が必要となる。
専門家は、量子コンピュータの脅威に対して事後的な対応ではなく、先制的な措置を講じることの重要性を強調している。仮想通貨システムの長期的な安定性を確保するためには、現在の技術的限界を超えた新たなセキュリティパラダイムの構築が急務だという。
量子コンピューティングの発展速度を考慮すると、ビットコインをはじめとする仮想通貨の安全性を維持するための技術的革新と規制対応は、今後の仮想通貨市場の持続可能性を左右する重要な要素となるだろう。
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