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ビットコインBTC ▼-1.41%は20日、10万ドル前後の水準を5週間以上維持し、暗号資産(仮想通貨)市場の停滞や地政学的リスクの中でも安定性を示した。
機関投資家が強気姿勢を維持
新たに設立されたメタプラネット関連会社Bitcoin Treasury Corporationの、エリオット・ジョンソンCEOは、イスラエルとイランの紛争や、米FRBのタカ派的な金融政策の中でも、ビットコイン(BTC)が力強さを見せていると指摘した。
同氏は電子メールでの取材に対し「ビットコインは過去1週間、信じられないほどの強さを維持している」と述べ、心理的に重要な10万ドルの水準が確立されたとの見方を示した。
米FRBは19日、政策金利を据え置いたが、更新された経済見通しでは2025年の利下げ予測が1回のみとなり、市場の期待ほどハト派的ではなかった。アナリストは、この様子見の姿勢が株式と債券の横ばい相場を長期化させると予想している。
ジョンソン氏は「最近の金の強さは、安全資産としての価値を証明するだけでなく、価値が下落する米ドルの代替としての役割が拡大している証左だ」と語り、ビットコインも同様の位置付けにあると分析した。
このような市場環境は、主要な暗号資産(仮想通貨)全般に追い風となる可能性がある。
同氏が率いるBitcoin Treasury Corporationは、機関投資家がビットコインを長期的な準備資産としてポートフォリオに組み入れることを支援している。
また、ビットコインの最大の企業保有者である米ストラテジー社は先週、さらに10億5000万ドル相当のビットコインを取得した。
この動きは、機関投資家が引き続き積極的な蓄積モードにあることを示すものだとアナリストらは見ている。
マクロ経済の追い風も期待
仮想通貨情報サイト コインビューローの創設者であるニック・パックリン氏は「市場は様子見モードに陥っている」と述べ、原油、金、S&P500、そしてドルの停滞を指摘。しかし、ビットコインはそのような市場の動きに逆らっているという。
同氏は「10万ドルはもはや単なる支持線ではなく、参加者の心の中でベース価格として定着しつつある」と語った。
パックリン氏はマクロ経済の追い風も予測しており、年内に2回の利下げが見込まれていることや、日本銀行が2026年に量的引き締めを緩和する意向を示唆している点を挙げた。
こうした金融緩和による流動性の流入があれば、ビットコインが最大の恩恵を受けるだろうと同氏は見ている。
なお、投資家の中には、ビットコインに加えてポートフォリオの多様化を目的として、有望なアルトコインに注目する者も増えている。
機関投資家が積極的に購入を進め、市場に流動性が回復する見込みがあるため、個人参加者は早急に利益を確定させることを再考すべきかもしれないとアナリストは指摘する。
さもなければ、次の上昇局面に備えてポジションを固めている大口参加者のための出口流動性となってしまう恐れがある。
機関投資家の需要を裏付けるように、資産運用会社ブラックロックのIBITやフィデリティのFBTCをはじめとする現物型ビットコインETFは、直近8取引日で合計24億ドルの純流入を記録した。
なお、米国市場は19日の連邦祝日のため休場だった。
Coingeckoの価格データによると、ビットコインの価格は記事執筆時点で約10万6100ドルで取引されている。過去24時間の取引高は209億ドルに達した。
ポイント
- ビットコインは地政学的リスクが高まる中でも、心理的な節目である10万ドルを5週間以上維持している。
- 米ストラテジー社の追加購入やETFへの資金流入が示すように、機関投資家による積極的な買いが続いている。
- アナリストは、FRBの利下げ期待などマクロ経済の追い風も予測しており、BTCが最大の恩恵を受ける可能性があると見ている。
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