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米国の現物ビットコインETFは1日、合計で3億4220万ドルの純資金流出を記録した。これにより、15日間続いた純流入の連続記録が途絶えた。
流出の詳細と市場への影響
この流出は、6月中旬から続いていた持続的な資金蓄積フェーズの反転を示すものだ。この15日間で、各ファンドは合計47億ドルの純流入を集めていた。
特に影響が大きかったのはフィデリティのFBTCで、1億7300万ドルという単日最大の流出を記録した。次いでグレイスケールのGBTCが1億2000万ドルの流出となり、これは2025年1月以来最大の償還額である。
その他、ARK21SharesのARKBとビットワイズのBITBも、それぞれ2700万ドルと2300万ドルの流出を記録した。
この流出後、ビットコインETFの運用資産総額は1312億9500万ドルとなり、ビットコインBTC ▲0.25%の市場総額の6.23%を占めている。
2024年1月のローンチ以来、これらのファンドは累計で486億3200万ドルの純流入を達成している。
資金流出の背景と今後の見通し
コンサルティング会社BRNのチーフアナリスト、ヴァレンティン・フォーニエ氏は、流入の勢いの鈍化と新たな市場カタリストの欠如を挙げ、機関投資家による資金蓄積の一時停止であると指摘している。
最近のビットコインの価格下落や政治的な不確実性も、慎重なセンチメントの一因となった。
対照的に、イーサリアムETFは同日に4068万ドルの資金流入を記録しており、市場の関心がシフトしている可能性もある。資金流出に転じる直前の数日間、15日間続いた流入ペースは徐々に鈍化していた。
BRNのアナリストは、新たなカタリストや機関投資家の需要がなければ、ビットコインの価格上昇は11万ドル以下で抵抗に遭うと警告している。
今回の反転は、機関投資家の資金流入が価格動向やマクロ経済の逆風に敏感であるビットコインETF市場の変動性の高さを浮き彫りにした。
ポイント
- 7月1日、米国の現物ビットコインETFから合計3億4220万ドル(約492億8000万円)の純資金流出があった。
- フィデリティのFBTCとグレイスケールのGBTCが流出を主導し、それぞれ1億7300万ドルと1億2000万ドルが流出した。
- 市場の新たなカタリスト不足や価格の下落が、機関投資家の慎重な姿勢を招いていると分析されている。
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