ベルギーの大手銀行・保険機関KBCグループはこのほど、2025年秋に向けた個人顧客向けの暗号資産(仮想通貨)取引サービスの提供を計画している。
同サービスは同行の投資プラットフォームBoleroを通じ、まずはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の取扱いから提供される。
この動きは、ベルギー主要銀行としては初の仮想通貨取引サービスへの参入となる。
ベルギー大手行で初の参入、背景にMiCA規制
KBCの動きはベルギー金融業界において画期的だ。これまで、競合のBelfius、ING Belgium、BNP Paribas Fortisなどの大手銀行は、仮想通貨サービス提供に慎重な姿勢を示していた。
そのため、多くの投資家は国外のコインベースやバイナンス、またRevolutなどのネオバンクを利用せざるを得なかった。
この参入の背景には、EU全域で導入される仮想通貨市場規制(MiCA)の存在がある。
MiCAは仮想通貨サービスプロバイダーに対して統一された規則と厳格なマネーロンダリング対策(AML)を義務付ける。
KBCは現在、MiCAに準拠した認可取得を目指しており、今秋までの認可取得を見込んでいる。
若年層の需要が後押し、国内市場に変化か
KBCの決定は国内における仮想通貨への関心の高まりにも後押しされている。特に若年層からの需要は顕著であり、ベルギー金融サービス市場庁(FSMA)の調査では、29歳以下の投資家の43%が既に仮想通貨を保有している。
KBCはこうした需要に対応すべく、国内投資家に対して規制を順守した安全性の高い取引手段を提供する狙いだ。また、同社は投資家教育とセキュリティ対策にも注力する方針を示している。
今回はまず、時価総額が最大のビットコインの取引から開始する。その後、分散型アプリケーションの基盤として重要なイーサリアムの取扱いも予定されている。
ベルギーでは近年、郵便事業体がブロックチェーン技術をテーマとした記念切手を発行するなど、仮想通貨への関心が広がっている。
KBCの参入は、国内仮想通貨市場のさらなる活性化につながる可能性がある。
ポイント
- ベルギー大手銀行KBCが、2025年秋からビットコインとイーサリアムの取引サービスを開始する。
- EUのMiCA規制による明確な法的枠組みと、若年層からの需要増加が参入の背景にある。
- KBCの参入は、これまで国外取引所に依存していたベルギーの投資家にとって新たな選択肢となる。
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