カジュアル衣料を手がける東証スタンダード上場のANAPホールディングスは9日、総額115億円の第三者割当増資を発表し、その大半をビットコイン(BTC)で決済および取得する計画を明らかにした

今回の増資は投資ファンドのキャピタル・タイフーンがビットコイン建て分(80億円)を引き受け、ネットプライス事業再生合同会社が円建て分(35億円)を引き受ける。

調達資金のうち80億円はビットコインで直接決済され、残りの35億円も円で受け取った後にビットコインへ転換される予定だ。同社は取得したビットコインを長期的に保有する方針を示している。

ビットコインを「デジタル・ゴールド」と位置づける新財務戦略

ANAPは、この動きがマクロ経済の不安定性やインフレ圧力への対応であると説明している。ビットコインを「デジタル・ゴールド」と見なし、資本準備金を多様化する狙いだ。

この戦略は、連結子会社であるANAPライトニングキャピタルが主導する。同子会社はビットコインの財務業務を管理し、より広範な「ビットコイン事業」を推進する役割を担う。

背景には、日本国内でのインフレ進行や円安があり、機関投資家の間でヘッジ手段としてのビットコイン需要が高まっている。ANAPの判断は、こうした世界的な潮流を反映したものと言える。

このような動きは、他の暗号資産(仮想通貨)にも影響を与える可能性がある。

積極的な目標設定と市場の反応

ANAPは今回の増資以前にもビットコインを取得しており、最新の割当により保有量は約102 BTCから増加する見込みだ。これは株主総会の承認が前提となる。

同社はさらに、2025年8月までに保有量を1000 BTC以上に増やすという野心的な目標を掲げている。段階的な買い増しを通じて、現在のポジションをほぼ10倍に拡大させる計画だ。

こうした大量のビットコインを安全に管理するためには、ハードウェアウォレットのような高度なセキュリティ対策が不可欠となる。今回の115億円(約7900万ドル)の投資は、同社の時価総額約185億円(約1億2800万ドル)に対し、非常に大きな規模となる。

この発表を受け、同社の株価は過去1カ月で90%急騰しており、市場の期待感の高さがうかがえる。

ANAPは、メタプラネットなど他の日本企業と同様にビットコインを準備資産として採用するが、主軸のファッション事業は維持するハイブリッドなアプローチを続ける。

ポイント

  • ANAPホールディングスが115億円の第三者割当増資を実施、その大半をビットコインに投資する。
  • 円安を背景にビットコインを「デジタル・ゴールド」と位置づけ、長期的な準備資産として保有する戦略。
  • 2025年8月までに1000 BTCを超える保有を目指しており、日本企業による仮想通貨の財務戦略が加速。

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高梨 匠吾
高梨 匠吾
暗号資産ジャーナリスト

仮想通貨専門のWebライター。金融・IT業界での経験を活かし、初心者にも分かりや... 続きを読む

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