米国のスコット・ベッセント財務長官は11日、上院歳出小委員会での証言で、ドルに連動したステーブルコインの市場規模が今後数年で2兆ドル(約290兆円)を超える可能性があるとの見通しを示した。

ステーブルコインの市場規模は、2025年第1四半期だけで300億ドルの純増を記録しており、執筆時点では2,500億ドルほどとなっている。

この背景には、イーサリアム(ETH)のような主要なプラットフォームが2025年第1四半期に3兆ドル以上のステーブルコイン取引を処理するなど、既存のインフラがすでに大規模な取引に対応できる体制を整えていることがある。

GENIUS法案が成長のカギ

ベッセント長官は、明確なステーブルコイン規制の枠組みが市場の信頼性を高め、機関投資家の本格的な参入を促すと主張した。

現在議会では、「GENIUS法案」の審議が進んでおり、ステーブルコインの成長を後押しする重要な鍵となる。

この法案は、発行者に対して、トークンを米国財務省短期証券(T-Bill)などの高品質な準備資産で完全に裏付けることを義務付けるものだ。

資産の裏付けが保証されることで、裏付けのない仮想通貨に伴うリスクが軽減され、安定した資本流入が期待できる。

さらに長官は、規制されたステーブルコインの普及が米ドルの国際的な覇権を強化する手段になり得るとの見解を示した。

特に新興国市場において、国境を越えた取引の主要なツールとして採用されることで、世界中でドルへのアクセスが容易になる可能性がある。

同法案は超党派の支持を得ており、来週早々にも最終採決が行われる見込みで、その動向が市場の将来を大きく左右することになる。

ステーブルコイン市場予測

長官の2兆ドルという予測は、英大手スタンダードチャータード銀行が2028年までに市場が同規模に達するとの予測とも一致する。

スタンダードチャータード銀行は、ステーブルコイン市場が2028年末までに2兆ドルに成長すると予測している。

同行は他にも、ビットコイン(BTC)が2025年末までに20万ドル、2028年に50万ドルに達すると予想。ETHは2028年に1万5,000ドル、BNBは2028年に2,775ドル、AVAXは2028年に200ドル上昇すると予測している。

ポイント

  • 米財務長官が、ドル連動型ステーブルコイン市場が今後数年で2兆ドル規模に成長する可能性を指摘。
  • 議会で審議中の新法案「GENIUS法案」は、ステーブルコイン市場の信頼性を高めることを目指す。
  • ステーブルコインの普及は、米ドルの国際的な影響力を強化し、国境を越えた取引を促進すると期待。

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Chiaki Tanimoto
Chiaki Tanimoto
仮想通貨ライター

2020年より暗号資産(仮想通貨)投資を開始。2021年より暗号資産の情報をブロ... 続きを読む

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