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スイ開発チームは24日、新たな暗号技術「Zero-Knowledge Authenticator(zkAt)」を発表した。
同技術はパブリックブロックチェーン上で認証を行いながらプライバシーを保護し、既存のzkLoginやLightning Network、Plasmaの課題解決を目指す。
プライバシー重視の新認証システム
zkAtは、ゼロ知識証明(取引の正当性を証明しながら情報を秘匿する暗号技術)を活用し、取引認証と同時に認証ポリシーを秘匿する。
従来は取引内容や参加者の身元が公開されたが、同技術はこれらの情報を隠しながら認証を実現する。
主要な特徴として、複雑なアクセス構造と認証ルールを秘匿する「ポリシープライベート認証」機能がある。
同機能は、従来のビットコイン(BTC)ネットワークで採用される閾値署名がアクセス閾値のみを隠したのに対し、より包括的なプライバシー保護を提供する。
さらに、ポリシー変更を明かさず暗号鍵を更新する「オブリビアス更新」機能も搭載。ECDSA(楕円曲線デジタル署名アルゴリズム)やEd25519(高速署名アルゴリズム)など、複数の署名方式を単一の証明内で組み合わせる。 これにより、多様な認証要件に柔軟に対応できる。
既存システムの限界を克服
技術開発の背景には、既存システムが抱える課題がある。 スイ(SUI)が開発したzkLoginは、Web2ログインをSuiアカウントに連携する革新的技術であったが、高いスループットや複雑な認証ポリシー処理に限界があった。
Lightning NetworkやPlasmaも、取引効率とプライバシー保護の間でスケーラビリティの課題に直面している。 ブロックチェーン普及に伴い、イーサリアム(ETH)など従来手法では認証ルールに関する情報が多く漏洩していた。
zkAtは、Groth16非対話的ゼロ知識(NIZK:相互作用を必要としないゼロ知識証明システム)システムを基に構築された。 また、等価検証可能な検証鍵に対応するよう改良され、ポリシーの進化にも効率的な検証を実現する。
マルチシグ(複数署名による認証)や階層アクセスなど、複雑な認証ポリシーを処理できる能力により、安全でスケーラブルな分散型取引所(DEX)を含む分散アプリケーションの実現が期待される。
Suiは本技術で、Web2認証とブロックチェーンエコシステムの連携を進め、企業向けのセキュリティニーズに対応する方針だ。
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