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米証券取引委員会(SEC)の企業財務部は29日、パブリックかつ許可不要型のプルーフオブステーク(PoS)ネットワークで行われる特定のプロトコルステーキング活動について、証券取引には該当しないとの見解を公表した。
SECの声明によると、ユーザー自身が、第三者のノード運営者を通じて追加的な事業努力なしに、暗号資産(仮想通貨)をPoSネットワークの合意形成メカニズムに参加させるステーキング行為は、ハウィーテスト(証券判定テスト)における証券取引の定義には当てはまらないと明確化されました。
証券該当性の判断基準
🇺🇸 LATEST: SEC staff says staking on proof-of-stake blockchains is not a securities offering. pic.twitter.com/kvq6hashUa
— Cointelegraph (@Cointelegraph) May 30, 2025
SECは、このようなプロトコルステーキングを「管理的または事務的活動」と位置づけ、ネットワークの基本的な運営に関連する行為として扱います。
この判断は、プロトコルの設計を超えた付加価値機能を提供するサービスとは区別されます。
重要な点として、スラッシング(不正行為に対する罰則)からの保護、報酬の分配、資産のプーリングといった活動も、ネットワークの技術的要件に沿っており、プロトコルが提供する範囲を超えた利益向上の要素を導入しない限り、自動的に証券提供とは見なされないとしています。
この判断は、中央集権的なプロモーターと投資家との関係が存在しないことや、PoSにおける報酬がプログラムによって自動的に生成される性質に基づいています。
対象となる仮想通貨はネットワーク機能と本質的に結びついており、外部からの約束ではなくプログラムによって報酬が生成される点が重視されました。
例えば、主要なPoS型仮想通貨であるイーサリアム(ETH)のステーキングも、今回のSECの見解が示す条件を満たす限り、証券取引とは見なされない可能性が示唆されます。
第三者サービス提供者への影響
今回の明確化は、分散型金融(DeFi)プラットフォームや「ステーキング・アズ・ア・サービス」の提供事業者にとって大きな影響があります。
これらの事業者は、プロトコル(基本的な仕組み)で定められたパラメーターを厳格に守り、追加的な価値提案を伴わない形でサービスを提供する限り、コンプライアンスに関する対応の方向性が、よりはっきりするでしょう。
ただし、サービス提供者は「プロトコル上に独自の企業活動を構築する」ことを避ける必要があります。
具体的には、リスク管理された収益を約束したり、中央集権的なガバナンスを導入したりする行為は、証券と見なされる可能性があると警告されています。
このため、投資家は信頼できるステーキングサービスを選択する必要があり、その際には「仮想通貨ステーキングランキング」などの情報も一つの参考材料となるかもしれません。
この声明は、3月に発表されたプルーフオブワーク(PoW)型マイニングに関する声明の延長線上にあるもので、PoSネットワークに特化した初の公式見解として業界に歓迎されています。
今後、ステーキングサービスの発展において重要な指針となることが期待されます。
なお、今回のSECの見解はPoSに焦点を当てていますが、市場全体としてはビットコイン(BTC)のようなPoW型資産の動向も引き続き重要です。
ポイント
- SECはPoSネットワークでのステーキング活動を証券取引の対象外と明確化
- スラッシング防止や報酬分配などのサービスも証券提供に該当しないと判断
- 第三者サービス提供者は追加的な利益構造の導入を避ける必要がある
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