米証券取引委員会(SEC)は20日、複数の暗号資産(仮想通貨)上場投資信託(ETF)に関する審査期間の延期を発表した

対象には、資産運用会社のビットワイズ(Bitwise)が申請しているイーサリアム(ETH)ETFへのステーキング追加案が含まれる。

また、同じく資産運用会社のグレースケール(Grayscale)によるリップル(XRP)ETFの申請、さらにBitwiseによるソラナ(SOL)ETFの申請なども含まれている。

審査延期の詳細と背景

SECによる今回の決定は、標準的な審査プロセスを延長するものだ。規制当局は通常、最大240日間の評価期間を設けている。

この期間中、SECは一般からの意見を公募し、不正防止規定や市場操作対策を含む規制基準への準拠性を評価する。

具体的には、ビットワイズ社のイーサリアムステーキング提案について、SECは規制上のリスクを再評価するため、20日に正式に決定期限を45日間延長した。

このような審査の長期化は、仮想通貨という新しい資産クラスに対する当局の慎重な姿勢を反映している。SECは、投資家保護と市場の健全性を確保するため、関連するリスクを徹底的に検証する方針を示している。

審査遅延の要因と市場への影響

SECがグレースケールのイーサリアムETFステーキング提案を検討する様子を表現した画像審査が遅延している要因の一つとして、ステーキングを伴う提案の運用上の複雑さが挙げられる。

Bitwise社のイーサリアム(ETF)などがこれに該当し、管理方法やネットワーク参加に関する規制上の懸念から、より厳格な審査の対象となっている。

SECはこれまでも仮想通貨関連ETFの審査において、慎重な姿勢を一貫して示してきた。

しばしばデジタル資産全体の承認スケジュールに合わせて決定を遅らせる傾向があり、アナリストは2025年後半までは承認されないとの見方を示している。

このアプローチは、市場の発展に段階的に対応し、システミックリスク(連鎖的な危機)に対処しつつ、一貫した法執行を維持するというSECの方針を反映している。

Bitwise社やGrayscale社のETF以外にも、ライトコイン(LTC)ETFに関する決定も遅れている。

一部のアナリストは、構造が比較的単純であることから、ライトコインやリップルのETFが先行して承認される可能性を指摘している。

これらの遅延により、市場ではビットコイン(BTC)ETFの承認時期と合わせて、2025年後半に最終的な判断が下されるとの見方が強まっている。公聴会やパブリックコメントは、引き続きSECの見解形成に影響を与えるだろう。

大手総合情報サービス会社のブルームバーグ(Bloomberg)のアナリスト、ジェームズ・セイファート氏は、仮想通貨ETFの遅延は標準的なことだと強調している。

同氏によれば、SECは複雑な19b-4申請(取引所の規則変更申請)に対して「通常、回答に最大限の時間をかける」という。

セイファート氏は、遅延が何らかの陰謀によるものではなく、規制の厳格さが緩いためであるとの見方を示した。これは、SECが革新と投資家保護のバランスを取りながら、仮想通貨ETFを慎重に評価していることを示している。

ポイント

  • 米SECは20日、BitwiseのイーサリアムステーキングETFやGrayscaleのリップルETFなど複数の仮想通貨ETFの審査延期を発表した。
  • ステーキングを伴うETFは、その運用上の複雑さなどから、SECによる慎重な審査の対象となっている。
  • アナリストは、SECによる審査延期は標準的な対応であり、最終的な判断は2025年後半になるとの見方を示している。

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Yamato Nagashima
Yamato Nagashima
仮想通貨ライター

日本版99Bitcoinsライター。2019年から仮想通貨投資を開始。仮想通貨ブ... 続きを読む

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