スペイン最大手のサンタンデール銀行は29日、デジタル子会社のOpenbankを通して、ステーブルコインの発行と個人向け暗号資産(仮想通貨)サービス展開を計画していることが明らかになった。
同行は現在、欧州大陸で時価総額最大の銀行だ。
ステーブルコイン事業の概要と規制対応
サンタンデール銀行が計画するステーブルコインは、独自トークンの発行または既存のステーブルコインへのアクセスを提供するプラットフォームのいずれかになる可能性がある。
このトークンはユーロまたは米ドルに連動する設計となる見通しであり、市場における資産運用の選択肢を増やす動きといえる。
Openbankは現在、EUの暗号資産市場規制(MiCA)に基づく規制承認を積極的に申請している。
MiCA規制は仮想通貨の監督を標準化する枠組みとなり、規制の明確化により欧州の銀行が仮想通貨事業に参入しやすくなった。 その結果、既存の仮想通貨取引所だけでなく、銀行も暗号資産サービスを提供できるようになった。
個人向けサービスには仮想通貨取引機能が含まれる可能性がある。 同行はMiCAライセンスの取得を通して、厳格なEU規制への準拠を目指し、個人顧客を対象とする。
ラテンアメリカ市場での需要拡大
この事業展開の背景には、アルゼンチン、ブラジル、メキシコなどのラテンアメリカ市場における経済の不安定要因がある。 これらの地域では、インフレや通貨価値の下落に対するヘッジとして、テザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などのドル建てステーブルコインの需要が高まっている。
サンタンデール銀行はこれらの市場で大きな顧客基盤を有している。 同行のステーブルコインプロジェクトは送金効率の改善と、経済不安定な地域での通貨安定性の確保を目的としている。 既存のドル建てステーブルコインがラテンアメリカに浸透している実績を活用する戦略だ。
ドナルド・トランプ大統領時代の米国規制スタンスの変化や、ステーブルコイン法制化への支援も背景にある。 これにより、金融機関の仮想通貨事業参入がさらに促進される見通しだ。
ステーブルコインの発行時期は規制承認次第だが、最近UBS銀行の規模を上回った同行の市場地位は、新興するデジタル資産市場での競争力を一層強化している。
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