分散型デリバティブ取引所HyperliquidのネイティブトークンHYPEが11日、24時間で約18％上昇した。ステーブルコインを除く時価総額上位15銘柄の中で、HYPEはこの日最も高い伸び率を記録した。
CoinGeckoのデータによれば、HYPEは41.31ドル（約5990円）で取引されている。
当日比では0.3%下落したものの、週間で12.4%、月間で67.2%の上昇を維持している。 また、5月中旬から続く上昇トレンドにより、最近は月間高値の42ドル付近まで回復した。
暗号資産（仮想通貨）および定量的取引会社Kronos Researchの最高投資責任者であるビンセント・リウ氏は、HYPEへの関心の高まりは投機的な勢いとエコシステムの成長、機関投資家の関心という双方の要素を反映していると述べた。
一方で、イーサリアム（ETH）、ソラナ（SOL）、ドージコイン（DOGE）は緩やかな上昇を見せ、広範な市場の中で上昇の勢いを広げている。
Hyperliquidの「無期限先物」の人気がHYPEを高騰させた背景
資産運用会社Grayscaleが月曜日に発表したレポートによれば、分散型取引所の無期限先物商品にトレーダーが殺到した。
そのため、HyperliquidのネイティブトークンHYPEは5月にアルトコインの中で際立った存在となった。
また、仮想通貨データプロバイダーCoinGeckoによると、HYPEは最近37.72ドル（約5,470円）付近で取引され、過去1日で14%上昇しているとされ、30日間では80%急騰し、1週間以上前の史上最高値39.68ドル（約5750円）に達している。
この1週間で、ETHは7%、SOLは7.3%、DOGEは4.4%上昇した。3銘柄すべてが5月下旬の安値から回復の兆しを示すも、局所的な高値には及ばない。
一方、ビットコイン（BTC）は、オプション価格に基づくインプライド・ボラティリティで過去最低を記録した。
リウ氏は、DOGEとHYPEにおける個人投資家の熱狂と、ETHとSOLにおける実質的な進歩が混在した状況が形成されつつあると分析した。
短期的な上昇傾向はあるものの、関税関連のヘッドラインやドル高といったマクロ要因が市場に影響を与えていると指摘し、長期的な上昇はマクロ経済の安定と明確な規制に依存すると述べた。
機関投資家の関心と「シンプルな」トークン設計が追い風に
モジュラー・オンチェーン・プラットフォームSovrunの最高執行責任者であるジェス・アン氏は、機関投資家の参加が後押しされ、ビットコインが新高値を更新したことが仮想通貨全体の楽観論を再燃させたと語った。
その結果、アルトコインへの個人投資家の関心と意欲が再び高まっている。 同氏は「この機関投資家の勢いがポジティブなフィードバックループを生み出している」と付け加え、HYPEの後押し要因としてシンプルかつ効果的なトークン設計を挙げた。
この明確な設計は、規制への楽観的見方と相まって、信頼できる収益創出資産としての仮想通貨の進化を強化していると述べた。
Grayscaleのアナリストは先週、Hyperliquidが提供する無期限先物取引がユーザーを引きつけ、中央集権型のデリバティブ取引所であるBinanceやBybitと競合していると指摘した。
また、分散型取引所は、財政リスクがビットコインや他の仮想通貨への広範な需要を引き出す中で、一貫して高いオーガニック利用を実現している。
仮想通貨における無期限先物とは、トレーダーが原資産を受け渡すことなく価格変動に対して投機できるデリバティブ契約だ。 この概念は1992年に経済学者ロバート・シラー氏が提唱し、現在では仮想通貨デリバティブ取引全体の約93%を占めると推定されている。
先月、Hyperliquidは米証券取引委員会（SEC）の無期限先物に関する呼びかけに応じたトップ取引所の一角となった。
同社は、自社プラットフォームのような「継続的なオンチェーン市場」が、回復力と顧客保護の面で規制当局の要件を既に満たし、いくつかの点で上回っていると主張している。
ポイント
- HYPEは週間12.4%上昇し、主要仮想通貨の中で最も優れたパフォーマンスを示した。
- HyperliquidのDEXが提供する無期限先物取引の人気がHYPE価格の上昇を促している。
- 機関投資家の関心と明確なトークン設計がHYPEの成長を支えている。
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