金融庁は6日、「FinTech実証実験ハブ」の第10弾案件として、金融機関など9社による自動マーケットメーカー(AMM)機能を活用した実証実験を支援すると発表した。
この実験は、暗号資産(仮想通貨)分野において、顧客確認やマネーロンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)を統合したモデルの検証を目的としている。
金融庁が設ける同ハブは、フィンテック企業や金融機関が直面する課題に対処するため、専門チームを編成して画期的な金融実験を支援する枠組みだ。
📣「FinTech実証実験ハブ」支援決定案件について公表しました。
本件は、フィンテック企業や金融機関等が、前例のない実証実験を行おうとする際に抱きがちな躊躇・懸念を払拭するため、個々の実験毎に金融庁内に担当チームを組成し、継続的な支援を行うものです。#金融庁https://t.co/ghvRVDbJD2— 金融庁 (@fsa_JAPAN) June 6, 2025
規制と技術革新の両立を目指す新プロジェクト
今回採択されたプロジェクトは、分散型金融の中核技術であるAMMを進化させつつ、顧客情報やAML/CFTといった規制要件への準拠を確保することに焦点を当てる。
実験に参加する9社の金融機関や企業の名称は公表されていない。
選定は、金融システムの革新やデジタルトランスフォーメーションを推進する可能性が高いプロジェクトを優先する厳格な審査を経て行われた。
主な目的は、AMM機能と強固な犯罪対策を組み合わせた新プラットフォームのサービスモデルを検証すること、そして仮想通貨分野における日本の厳格な金融規制への準拠を実証することにある。
この取り組みは、中央集権的なコンプライアンスの枠組みとAMM技術を統合する、新しい規制技術の融合事例といえる。
このようなAMM技術は、多くの分散型取引所で採用されており、今後の発展が期待される。
政府主導のフィンテック推進が背景に
金融庁はこれまでも、同ハブや海外企業向けの相談窓口「金融マーケット・エントリーオフィス」の設置などを通じ、金融イノベーションを体系的に推進してきた。
今回の動きは、デジタル資産の監督に関する国際基準の進化に沿ったものであり、AML/CFT対策の統合を重視する日本の姿勢を反映している。
また、日本の銀行は人手不足への対応や生産性向上のため、フィンテックのスタートアップ企業と提携する動きを活発化させている。
政府主導で金融インフラの近代化や既存機関と新規参入者の連携を促進する取り組みが、競争力のあるフィンテックエコシステムを形成している。
この実験は、技術革新を促進しつつ厳格な犯罪対策を維持するという日本の姿勢を明確にし、規制下でのDeFi開発を主導する意図を示している。
将来的には、このような規制に準拠したプラットフォームが、AIエージェント仮想通貨のような新たな技術領域と融合することが期待される。
ポイント
- 金融庁が「FinTech実証実験ハブ」の第10弾として、9社によるAMM機能の実証実験を支援。
- 実験の目的は、仮想通貨分野で顧客確認と資金洗浄対策を統合した新サービスモデルの検証。
- 日本の厳格な金融規制への準拠を実証し、規制と技術革新の両立を目指す。
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