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分散型金融(DeFi)のレンディング分野における総預かり資産(TVL)はこのほど、過去最高の550億ドルに達した。
この成長は、Aave、Maple Finance、Morphoといった主要プロトコルが牽引している。これらのプロトコルは、分散型クレジットに対してそれぞれ異なるアプローチを採用している。
Aaveは個人利用者、Morphoは機関投資家、Maple Financeは現実世界の資産とDeFiを結びつけ、異なる利用者層をターゲットにしている。
Aave、Maple、Morphoの成長
DeFiレンディング市場は、異なる戦略を持つプロトコル群によって活況を呈している。
市場のリーダーであるAaveは、1日あたり160万ドルの収益を生み出し、エコシステム内のアクティブなローンの60%を占めている。同プロトコルの主力製品Aave v3は、過去2ヶ月で55%の成長を記録している。
Maple Financeは、現実資産(RWA)を担保とする無担保融資の仕組みを導入によって成長を遂げた。
TVLは年初来で417%増の13億7,000万ドルに達しており、2025年5月に発行された独自の暗号資産(仮想通貨)SYRUPは、価格が140%上昇している。
一方Morphoは、モジュール式の設計で機関投資家の関心を集めている。
利用者が市場パラメータを自由に設定できる点が特徴だ。提携やクロスチェーンでの相互運用性を背景に、TVLは1月以降38%増加し、39億ドルに達した。
市場成長を支える要因
市場成長の背景には、各プロトコルの専門化がある。
Aaveはクロスチェーン対応で個人向けに幅広いアクセスを提供し、V2からV3への移行でセキュリティと効率性を高めている。
Morphoは、Blueと名付けられた適格参加者向けサービスで、機関投資家の需要に応える。
Maple Financeは、許可のいらないソブリンプールを通じて現実世界の資産への融資を拡大している。これにより、過剰な担保要件を緩和し、伝統的な金融のリスク評価モデルをオンチェーンで再現する試みを進めている。
各プロトコルの独自トークンのパフォーマンスも、市場のセンチメントを反映している。AaveのAAVEやMapleのSYRUPといったトークンは、プロトコルの革新性と連動して価値を上げた。
また、レンディングだけでなく分散型取引所(DEX)の利用も活発化しており、DeFiエコシステム全体の成熟が進んでいる。
ポイント
- DeFiレンディング市場の総預かり資産(TVL)が過去最高の550億ドルに到達した。
- Aave、Maple Finance、Morphoがそれぞれ異なる戦略で市場を牽引し成長に貢献。
- 機関投資家の採用拡大、クロスチェーン統合、現実資産との連携が市場成長の主な要因。
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