暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースとマーケティング会社マーデン・ケーンはこのほど、ドージコイン(DOGE)懸賞キャンペーンを巡る集団訴訟で、原告に約225万ドルの和解金を支払うことで合意した。
この和解は、2021年に実施されたドージコイン懸賞キャンペーンをきっかけに提起された訴訟に関するもの。現在は裁判所の最終承認を待っている段階だ。
2021年の懸賞キャンペーンと訴訟の背景
2021年6月、コインベースはドージコインの新規取り扱い開始を記念し、総額120万ドル(約1億7520万円)の懸賞キャンペーンを実施した。
参加者は、1週間のプロモーション期間中に100ドル(約1万4600円)分以上のドージコインを取引すると自動的に抽選対象となり、最大賞金は30万ドル(約4380万円)だった。
しかし、原告デヴィッド・サスキ氏を含むユーザーらは、懸賞参加には購入が必要だと誤解させる広告表示があったとして、コインベースとマーデン・ケーンを提訴した。
訴状によれば、実際には無料での応募方法も存在していたが、その説明は小さく薄い文字で示されていたという。
ユーザーの多くはすでに他の取引所でドージコインを保有していたが、無料応募の存在を知らずにわざわざコインベースで新たに購入・取引したと主張している。
和解内容と仮想通貨業界への影響
集団訴訟は当初、損害賠償約500万ドルを求めていたが、今回の和解合意金額は約225万ドルに調整された。
対象となるのは、期間中に懸賞にエントリーし100ドル以上のドージコインを取引した米国内ユーザーらである。
裁判では、コインベースが利用規約に基づく仲裁を主張したが、キャンペーン公式ルールの「カリフォルニア州裁判所で争う」という条項が優先されると認定された。
この判断は、仮想通貨取引所プロモーションにおける公式ルールと企業利用規約の優先順位に一石を投じた。
また、本件は消費者保護の観点から仮想通貨プロモーションでの「無料応募」明示義務の重要性を浮き彫りにした。
提携マーケティング企業によるプロモーションでも、透明性・法令順守が厳しく問われる時代となっている。
仮想通貨分野で高まる透明性への要請
コインベースは数年にわたり本訴訟への対応を迫られ、企業イメージへの悪影響を避けるため和解に至ったとみられる。
一連の経緯は、仮想通貨市場での消費者保護意識の高まりやプロモーション活動に対する規制強化の流れを象徴するものだ。
今後、仮想通貨関連企業はキャンペーンや広告での表記・説明責任をより一層果たすことが求められるだろう。
今回の事例は、透明性と信頼性が業界発展のカギであることを改めて示している。
ポイント
- コインベースと提携企業がドージコイン懸賞に関する集団訴訟で和解した。
- 和解金は2.25万ドルで、2021年の懸賞参加者が対象となる。
- 訴訟は仮想通貨市場での消費者保護やプロモーション透明性に一石を投じた。
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