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カルダノ(ADA)のチャールズ・ホスキンソン創設者は9日、匿名性と規制遵守を両立する新たなステーブルコインの開発計画を明らかにした。
同氏はポッドキャストのインタビューで、この新コインが現金のような匿名送金を実現しつつ、マネーロンダリング対策(AML)や本人確認(KYC)などの規制要件にも対応可能だと説明した。
現在主流のステーブルコイン、例えばテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)は、イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)といったブロックチェーン上で運用されている。
そのため、すべての取引が公開され、誰でも追跡できる仕組みとなっている。
ホスキンソン氏は、この仕組みが現金取引のプライバシー感覚と大きく異なると指摘し、約2430億ドル(約35兆9640億円)規模のステーブルコイン市場には、より高い匿名性を求める声が強まっていると述べた。
選択的開示と規制対応の両立
新しいステーブルコインは、選択的情報公開(Selective Disclosure)技術を用いて設計される。
これにより、通常の取引は匿名で行える一方、法的手続きに基づく要請があった場合のみ、取引情報の開示が可能となる。
同様の思想はジーキャッシュ(ZEC)などの「シールドトランザクション(秘匿取引)」でもみられるが、カルダノはさらに規制適合性を重視している。
近年、モネロ(XMR)やジーキャッシュといった匿名性の高い暗号資産(仮想通貨)が各国取引所で上場廃止になるなど、規制圧力が高まっている。
ホスキンソン氏は、規制当局と連携しつつ、ユーザーのプライバシーも守れる仕組み作りが不可欠だと強調した。
技術面では、ホワイトリストアドレス(承認済みアドレス)や選択的開示プロトコルを組み合わせ、正規の機関のみが特定条件下で取引データにアクセスできるよう設計を進める意向だという。
カルダノの市場戦略と今後の展望
カルダノは現時点で時価総額約3150万ドル(約46億6200万円)規模のステーブルコインを展開しているが、今回の構想で「プライバシー対応ステーブルコイン」の先駆者をめざしている。
ホスキンソン氏は、NIST(米国標準技術研究所)による法案提案やGENIUS Act(米国議会提出予定の新たな仮想通貨規制法案)など、規制機関との積極的な連携にも力を入れている。
仮想通貨投資の観点からも業界関係者の関心が高まっている。これにより、マイクロソフトやアップルといった大手IT企業によるステーブルコイン受け入れの土壌づくりも目指す。
発表後、カルダノの価格は1週間で23%上昇し、市場でも高い関心が集まっている。
今後は、ROI(投資利益率)重視の企業や大手金融機関による分散型金融(DeFi)への本格参入など、アルトコインの選択肢も広がっている。プライバシーと規制遵守を両立する仮想通貨の動向が注目される。
カルダノの取り組みが、グローバルな金融インフラの新たな基準となるか、今後の展開が期待されている。
ポイント
- カルダノ創設者が匿名性と規制遵守を両立するステーブルコイン構想を発表した。
- 新コインは選択的情報公開技術を用い、法的枠組み下でのみ取引情報を開示する。
- 市場のプライバシー需要と規制圧力を受け、カルダノは新たな成長分野を狙う。
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