主要アルトコインは16日、機関投資家向けの暗号資産（仮想通貨）ファンドに約20億ドル（約2880億円）が流入する中、値を上げた。
ビットコイン（BTC）が10万6000ドル（約1526万円）の節目を試した後、投資家が資金を移動させたことで、この日には仮想通貨市場のリスク資産への意欲が力強く回復した。ソラナ（SOL）やイーサリアム（ETH）などのアルトコインが急騰している。
ソラナは過去24時間で6.1%上昇し、155.78ドルで取引されている。一方、イーサリアムは同期間に3.7%上昇し、2611ドルに達した。
Sygnumのアナリストは、最近のネットワークアップグレード後、イーサリアムは2年半の低迷を経て再び注目を集めていると指摘した。機関投資家によるイーサリアムベースのプラットフォーム採用へと物語がシフトしているという。
同様に、XRPは4.6%上昇して2.26ドルとなり、カルダノ（ADA）も過去24時間で2.8%上昇し0.64ドルを付けた。
アルトコインシーズン到来か、専門家の見解
広範なアルトコインの上昇は複数の銘柄に及び、中規模時価総額の中ではHyperLiquid（HYPE）が9.7%高の約44ドルと急騰を主導した。
HyperLiquidは先物建玉でドージコイン（DOGE）を抜き、5番目に大きな仮想通貨となった。トレーダーはHYPEの契約に20.6億ドル（約2966億円）相当の有効な賭けを行っている。
市場アナリストは、これが広範なアルトコインシーズンの始まりなのか、それとも一時的な資金循環に過ぎないのかを注意深く見守っている。
StealthEXのグロース責任者、ヴァディム・タジツキ氏は、機関投資家の関心が主な推進力だと語る。Farside Investorsのデータを引用し、ここ数日で約19億ドル（約2736億円）が仮想通貨ファンドに流入したと述べた。
同氏はまた、規制面の動きにも言及した。ステーキング機能を備えた現物型ソラナETFの立ち上げを目指す大手資産運用会社から、SECへの申請書類の更新が相次いでいることを挙げ、市場心理の変化の証拠だとした。
タジツキ氏は「そうした注目は仮想通貨の主流化を後押しする一方、ためらいも生む。それが今のところ本格的なアルトコインシーズンの到来を遅らせているのかもしれない」と付け加えた。
ビットコインの動向と市場への影響
今回のアルトコイン上昇は、先週金曜日にイスラエルによるイランへの空爆をきっかけに起きた急落にもかかわらず実現した。この空爆でビットコインは4%下落し、10万4000ドル（約1497万円）を割り込んでいた。
その後、市場がこの地政学的ショックを買いの好機と捉えたため、ビットコインは回復。過去24時間で1.6%上昇し、10万6724ドル（約1536万円）となっている。
Sygnumのアナリストは、機関投資家の採用の着実な進展と安全資産としての利用増加に後押しされ、ビットコインのプラスの需要傾向は続いていると分析する。また、急速に減少する流動性の高い供給が、需要ショックと価格上昇のボラティリティを生む条件を作り出していると指摘した。
RedStoneの共同創設者兼COO、マーシン・カズミエルチャク氏は、最近のアルトコインの上昇はビットコインが10万ドルを突破したことによって牽引されていると述べた。
ビットコインのドミナンスは61.4%に達しており、好調なETFへの資金流入とテクニカルなブレイクアウトが主な要因だという。同氏はさらに、クジラ（500万ドル、約7億2000万円以上を保有）が持つステーブルコインの供給量が過去30日間で5%増加したと付け加え、買い圧力の高まりを示した。
カズミエルチャク氏は過去のパターンに基づき、9月から12月にかけて大規模なアルトコインの急騰が起こると予測している。
ポイント
- 主要アルトコインが上昇し、ソラナ（SOL）は6.1%、イーサリアム（ETH）は3.7%の値上がりを記録した。
- 機関投資家向けの暗号資産ファンドに約19億ドル（約2736億円）が流入し、市場の追い風となっている。
- BTCのドミナンスが60%を下回るかが、本格的なアルトコインシーズン始まりを示す指標になるか。
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